2009年11月9日月曜日

松井秀喜の行方2:松井はタイプBでなくノーランク、FAリスト

まず、松井秀喜はタイプBのフリーエージェントと呼ばれるものに該当します。

★★★★という感じでかなり前から用意していたんですが、今日正式に発表されたリストではランク外になりました。なのでちょっと書き直しました。一瞬だけ古いままアップしちゃいましたが、忘れてください。★★★★

これはある会社(Elias:エライアス)がメジャーリーグから請け負って独自の手法(正確には明らかにされてません。方法は大体解読されたはずも松井がランク外になったりするということは方法は謎のまま。そしてなにより、全然当てになりませんね)によって、全選手を過去2年の成績に基づいたランク付けをしたものでA, B, 何もなしと決められるものです。そのランク付けによってフリーエージェントになった選手と契約をしなかった元のチームへの補償、契約をした新チームから譲渡されるものなどが決まってきます。
全選手をしていてDH、一塁手、外野手はひとくくりになります。上位20%に入るとA、その次の20%に入るとB、それ以外はなにもなしとなります。
松井は2008年終了まではタイプAでしたね。去年の成績が足を引っ張ってるだけでなく、年齢やもしかすると怪我の種類も影響して、Bどころでなく、ランク外に落ちているという事なんでしょう。

フリーエージェントに正式になるには日本で言うFA宣言みたいな事をしないといけません。これはワールドシリーズ終了後15日間に行います。すなわち今年は11/19までです。その間に宣言をしても元のチームとは交渉はし続けられます。元のチームが独占でその選手と交渉出来る期間も同様の15日間。11/20以降はどのチームとも交渉してもよくなります。

さて、タイプA, Bというのに戻りますが、AでもBでも元のチームから年俸調停権というのをオファーされないことには始まりません。この期限が12/1ですね。そしてそれを選手側が却下する必要があります。これを受理するか却下するかは12/7が期限です。
却下する事で選手はどのチームとも話ができます。それで初めて元のチームは補償を受ける事ができるようになります。(期限前の12/1までに他チームへ移籍が決まった場合ももちろん補償が受けられます。)
却下せずに受理した場合はそのまま元のチームと交渉を続けるか、後の年俸調停にて1年契約の年俸が決まり、どちらにしろ自動的に再契約扱いとなります。
元のチームはもちろんこの年俸調停をオファーしなくても構いません。これをオファーされないことが最近は以前よりも増えています。(理由は後で)

タイプAかBの選手に年俸調停権をオファーしてそれを却下された場合で、それらの選手が他チームと契約した場合は元のチームに補償としてドラフト指名権が与えられます。Aの場合は新しく獲得したチームから元のチームへ一巡目の指名権が与えられます。
Bの場合は1巡目と2巡目の間にエクストラに指名権(supplemental 1st round. pick)がもらえます。この場合新しく獲得したチームは何も失いません。
タイプAを新たに獲得をしたチームの1巡目の指名権が上位半分に入っている場合はそれは譲渡されません。なぜなら上位半分に入ってるという事は前年の成績が良くなかったわけで、そういうチームがタイプAという一般的にすごく良いとされる選手にお金を多く使おうとして強くしているわけだから、ドラフト権を取ってしまったらまずいという戦力均衡の一巻でそうなってます。その場合の補償はここでは省きます。

なので、タイプBやランク外になった方が獲得するチームが失うものが無いわけで、仮に元のチームからの年俸調停権を却下して他チームへ行くとする場合、獲得を希望するチーム、よりよい条件は多少増えるわけです。

ただ、この2年くらいの傾向というか今のエコノミーの象徴ですが、フリーエージェントとしてオープンマーケットに出るよりも年俸調停の方が年俸が多く貰える可能性が高くなっています。年俸調停権というのはフリーエージェントの選手以外にもメジャーで3年以上6年未満の選手には自動的に与えられます。彼らの中でそこそこの成績をあげてる選手だとキープして調停になるよりも、その選手を切って他の同じ様な選手と契約した方がチームとしては安く上がる状況になっています。ヤンキースのような金が使える一部のチームはいいですが、多くのチームはこうした方が経済的なわけです。同様な理由でフリーエージェントになる選手もオープンマーケットに出てもいい条件がなさそうな選手に調停権をオファーしてしまうと、1年契約になってしまう可能性もあるわけだからしない場合が増えていますね。

なので12月になると下記に載せたフリーエージェントリストへ、チームから切られたそこそこの能力があるより若い選手が結構な数、加わる可能性はかなり高そうです。あと、トレードされる選手も出て来るわけですから、需要よりも供給は多くなってしまうのが今年も続きそうです。
(すでにワールドシリーズ終了後の二日間で上記の様な状況での金のないチームから使えるチームへ、まだ若いが年俸調停権がある選手がトレードされてますね。ボストンが大きく育つ可能性はまだあるけど、来季貰える年俸の価値があるかは何とも言えないジェレミー・ハーミダをフロリダから獲得、似た様な状況でホワイトソックスがカンザスシティからマーク・ティーエンを獲得。両選手とも調停で3〜4億円かかります。ツインズがショートのJ.J. Hardyを獲得したのもまあこれに当たりますね。
また、調停権のある選手が既に何人か切られてますね。デトロイトのマーカス・テームズはパワー以外は使えないので切られましたね。)

この状況は一部のエリート選手には影響はないですが、中堅からそれなりに上位(松井を含む)の選手には影響を与えることになります。

・まとめ
ただ、今年は打者も投手も質はかなり低いですね。ということは、松井はランク外だけど明らかに多くのBランクよりも能力のある選手で、かつ新しいチームは失うものはない。
もちろん怪我の不安というのはありますが、今の松井の選手としての限界を問題ないとするんであれば、取ったチームはお得になる可能性が高いわけですから全然声がかからないということはないでしょうね。
FAは目玉に欠けますが、中堅所はいっぱいいます。同じようなレフト、一塁、DHタイプもいっぱいいますから引く手あまたとまではいかないでしょうけどね。
(逆に言えばヤンキースも他の選手で松井の代わりやレフトの候補というのはいっぱいいるけど、どれも決定的でないという事。ホリデイやベイですら超エリートでないですから、じゃあやはり松井、デーモンを1年や2年でもキープした方が、となる可能性もあるわけです)


★★★ここは元のまま残しておきます。タイプBだったら、という仮定で書いてます★★★
さて、じゃあ実際ヤンキースが松井秀喜に年俸調停権をオファーするかどうか?

微妙ですね。上に書いた様に期限はまだ後です。15日の独占交渉期間の後になるわけでまだまだ先の話。ヤンキースの首脳会議もスカウティング会議もまだの段階、その結果、松井の方とコンタクトを取ってから決めるんでしょうし。今年の選手マーケットもこれから変化があるだろうし、それを読んでじっくりと決めるとは思いますが。。
このケースではオファーすることになれば松井と契約する気があるという事ですね。常にオファーするイコール契約したいというわけではないですよ。補償目当ての場合も多いわけですから。こうなったら松井と交渉の感触がいい、と取るべきなんでしょう。
実際するかどうかは、うーん、わかんないです。

★★★ここまでね★★★

ヤンキースは同様にFAであるペティットには間違いなく年俸調停権をオファーします。デーモンにもおそらく。

じゃあ、どのチームがレフトやDHを探してるか?
それと簡単なそれら各チームの展望などを次にアップしますね。

★今年のFAリスト(一塁・外野・DHのみでEliasのランキングごとにわけてます。)

成績はここで検索してください。フルネームをコピペすればいいです。
http://www.baseball-reference.com/

★が付いてるのは選手/チームがオプションを行使した(間違いなくする)か既に再契約を元のチームとしている選手

タイプA
Matt Holliday St. Louis LF 今年の目玉。カージナルス移籍後は打ちまくりました。守備は並。NYは希望してると言われたり、言われなかったりらしいですが基本的には金次第のボラスのクライアント。
★Manny Ramirez Los AngelesD LF/DH 選手オプション行使でドジャースへ18億円で戻りますね。
Jason Bay Boston LF ボストンは4年で54億円の提示をしたと言われてますが。残るかは微妙です。
★Bobby Abreu Los AngelesA LF/RF  再契約2年16億円。昨年、見事に不況の波などにはまって1年系契約しかなく、活躍、今年はすぐに複数年に飛びつきましたね。この契約が他の選手のベースになるでしょう。
Johnny Damon New YorkY LF/DH 2年契約以上希望?フェアなものが欲しいと。
Jermaine Dye ChicagoW RF/DH この人はほぼDHになりつつあります。右のパワーが欲しいなら悪くはないでしょう。

タイプB
Vladimir Guerrero Los AngelesA DH/RF 力の落ちた元MVPはDHとしてならまだ使えるでしょう。
★Carl Crawford Tampa Bay LF/CF トレードの可能性ほんの少しあり
Marlon Byrd Texas CF/LF すごい選手ではないけれどセンターとしての契約なら悪くないでしょう。
Xavier Nady New YorkY RF ヒジの手術明け。プレー出来る機会が欲しいはずで、ヤンキースと再契約はない気がしますね。
Aubrey Huff Detroit DH/1B
Brian Giles San Diego LF
Garret Anderson Atlanta LF/DH
Randy Winn San Francisco LF
Mike Cameron Milwaukee CF 安定して成績は残しますし、守備も信頼はできそうですが、限界もはっきりしてます。
Fernando Tatis New YorkM LF 
Adam LaRoche Atlanta 1B ひどいスロースタートが問題も毎年成績はまあまあ
Carlos Delgado New YorkM 1B/DH A-Rodと同じ手術後、どうなんでしょう。能力はあるベテラン。
Nick Johnson Florida 1B 怪我が無ければ使える元ヤンキース。球を選ぶのは一流ですね。

3Bとしてのランクですが、タイプAでLos AngelesAのChone Figgins (3B, 2B, LF, CF, RF)がいます。Byrdの上、Crawfordの下くらいでしょうか。外野手や二塁手として契約するところもあるかもですね。ショートもピンチではできますね。

以下該当外
Reed Johnson Chicago OF
Jim Thome Los AngelesD DH/1B まだDHとしてならやれるとは思います。
Gary Sheffield New YorkM DH/LF この人も同様。
Rick Ankiel St. Louis OF パワーはあるし守備もできるので面白い存在の元投手。
Ken Griffey Seattle DH/LF 引退するんですかね?
Scott Podsednik ChicagoW OF
★Mark Kotsay ChicagoW OF 再契約しました。4番目の外野手として。
Matt Stairs Philadelphia DH
Coco Crisp Kansas City CF
Doug Mientkiewicz Los AngelesD 1B
Dmitri Young Washington 1B
Eric Hinske New YorkY RF
Greg Norton Atlanta LF
Frank Catalanotto Milwaukee LF
Russell Branyan Seattle 1B 今年は打ちましたがねえ。
Hank Blalock Texas 1B 
Mike Sweeney Seattle DH
Austin Kearns Washington RF
Chad Tracy Arizona 1B/RF
Nomar Garciaparra Oakland DH
Rocco Baldelli Boston OF
Andruw Jones Texas DH/OF
一部どうしようもない選手は省いてます。

ランク外
松井秀喜 New YorkY DH/LF
を始め残り全てのFA選手

★おまけ:トレードの可能性がある少しでも選手もしくは年俸調停権を与える前に切られる可能性がある3−5年メジャー在籍選手(レフト、一塁手、DHのみ、すでに切られてる選手もいます)

レフト
Carl Crawford Tampa
Carlos Lee Houston
Josh Willingham Washington
Adam Dunn Washington
Juan Pierre LA
David DeJesus KC
Chase Headley SD
Jose Bautista Toronto
Delmon Young Min
Eric Byrnes Ari
Jack Cust OAK
Luke Scott BAL
Marcus Thames DET
Matt Murton COL

一塁
Prince Fielder MIL
Adrian Gonzalez SD
Lyle Overbay TOR
Jorge Cantu FLA
James Loney LAD
Ryan Garko LAD
Casey Kotchman BOS
Andy Marte CLE
Mike Jacobs KC


ここにはFAが3人映ってます。ラッキー、フィギンス、松井。

おまけ2:Best of the Rest of FA(残りのFAの中で使えそうな人達)
野手
Orlando Hudson 2B
Mark DeRosa 2B, 3B, OF
Marco Scutaro SS, 2B, 3B
Adrian Beltre 3B

Miguel Tejada SS, 3B
Felipe Lopez 2B, SS
Bengie Molina C
Orlando Cabrera SS, 2B
Placido Polanco 2B

先発
John Lackey ヤンキースだのメッツだのと言われてますが。。
Randy Wolf
Andy Pettitte

Rich Harden
Aroldis Chapman キューバから亡命の100マイル左腕
Joel Pineiro
Ben Sheets 怪我がなければエース級にも
Erik Bedard 怪我がなければエース級にも
Jason Marquis
Vicente Padilla
Jon Garland
Brad Penny

Carl Pavano
Jarrod Washburn
Doug Davis

John Smoltz

Justin Duchscherer
Randy Johnson
Brett Myers

リリーフ
Rafael Soriano
Jose Valverde
Mike Gonzalez
Billy Wagner
Fernando Rodney
Chan Ho Park
J.J. Putz
Takashi Saito
Akinori Otsuka

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